Vol.4 米国株投資ブロガー たぱぞう

たぱぞう ブロガー


『読者の不安に寄り添う』 米国株投資ブロガー たぱぞう

匠 vol.4『読者の不安に寄り添う』
米国株投資ブロガー たぱぞう

 

 

米国株投資ブロガー たぱぞうとは

たぱぞうプロフィール

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アメリカ株投資ブログ「たぱぞうの米国株投資」管理人。
直近では月間100万PVを達成しており、米国株投資というジャンルの認知にも貢献。
2000年より投資を始め、米国株投資を中心に行うようになったのは2010年以降。

 

兼業投資家ながら、2017年から投資顧問会社とアドバイザー契約を結ぶ。
「誰でもできる投資術」「誰でもわかる海外投資」をモットーに執筆中。
最近では読者からの質問に応える形式が人気。

 

実はたぱぞう氏、「米国株を語る会」の主催としてオフラインにも活動領域を広げている。
スピーカーズ編集部がたぱぞう氏の一流としてのこだわりや今後の展望について詳しく伺った。

 


投資人生のきっかけ

ブロガーのほかに本業を持つたぱぞう氏。
投資を始めたのは2000年からということだが、投資の世界に足を踏み入れたきっかけは何だったのだろうか。

 

 

投資の世界へ

「祖父と父の影響があります。二人とも金融に関係する仕事をしていました。家で新聞の株式欄にチェックを入れている姿をよく目にしていたので、いつか自分もやるようになるんだろうな、と感じていました。」

もともと投資の知識があったわけでは無く、試行錯誤を繰り返しながら色々な投資スタイルを経験し、2010年からアメリカ株投資を始める。

 

ブログの開設

たぱぞうブログヘッダー

アメリカ株式への投資という専門的で比較的ニッチなテーマを取り扱うブログながら、直近では月間100万PVの大台を突破。
個人ブログとして出色の閲覧数を誇る「たぱぞうの米国株投資」。
ブログを開設したきっかけはどのようなものだったのか。

 

「自分の後輩への恩返しのつもりで始めました。最近の若い世代は私たちの世代より優秀な人が多いと感じています。また、生まれた時代のおかげか持っている情報量も多い。
職場の後輩も能力が高く一生懸命働いています。
しかし、今後は国や勤務先が労働者の人生を必ずしも担保できなくなると思っています。」

 

日本の将来はそう楽観視できるものではない。

 

今や働き方改革は日本全体の共通認識となりつつある。
また、世界史上類を見ない少子高齢社会が、年金に代表される社会保障の構造そのものを揺るがしている。

 

「個人としても将来に対する備えを持ったほうがよいと考えます。私はそのために投資をし、それなりの資産を築きつつあります。しかし、将来の備えを自分だけが持っているというのは良くないと感じたのです。
自分のやっている方法が100%正しいかはわかりませんが、もしこれが誰かにとってヒントになるならばと。
後輩への恩返しとして投資の指針を軽く口で伝えていたものを、文章にしていくことにしました。やり方、考え方をまとめたからからこれ見てよ、という感じで。」

 


 

投資について

一口に投資と言っても商品やスタイルは実に様々。
株式投資を例にしても国内株と海外株があり、個別銘柄やインデックス投資などの買い方の違いもある。リターンについても配当金や株主優待、売却益など多様だ。
視野を広げれば株式以外にも利益を得る手段や理論は無数に存在する。

 

その中からなぜたぱぞう氏はアメリカ株を選んだのだろうか。

 

アメリカ株の魅力

アメリカ株投資に照準を絞っている理由は大きく分けて3つだと言う。

 

1.株式投資関連の法整備がしっかりしている
「前提として株主が報われる仕組みになっています。リーマンショックの際もアメリカは早期に景気回復しました。また、自社株買いも熱心です。業績が危なくなるとすぐに株数を増やし、価値を落とすようなことを安易に行いません。株主に必要以上のリスクを負わせないというスタンスがあります。」

 

2.成長性
「米国市場はマーケットとして成長し続けています。人口増加に加え、あらゆるイノベーションがアメリカから発信されています。
アメリカには挑戦をよしとするカルチャーがあります。残念ながら日本では無難に卒なくこなすことが求められますから、ここが文化の違いでしょうか。」

 

3.富の流入を創るチャンスがある
「日本の将来が暗いか、と言われると断定的には言えません。しかし、私は基本的にペシミスト(悲観論者)です。少なくとも今の日本には経済力がありますから、海外の富を豊かなうちに買い、永続的に日本に還流させる仕組みを創るチャンスはあります。
日本単体のマーケットとしては今後厳しいと思います。」

 

 

その他の投資

昨今の仮想通貨ブームについてはどう捉えているのだろうか。
「やってもいいかな、とは思っているのですが基本的に仮想通貨単体が価値を生むものではないとも考えています。私はブロガーなので信用商売。自分の中で確信が得られていないものは紹介しないというのがポリシーです。価格が落ち着いたところ、それを見極めたいと思っています。」

 

ギャンブルについても一切やらない。それについても根拠がある。

 

「ゲームには3つあります。ゼロサムゲーム、マイナスサムゲーム、プラスサムゲームです。成長国への株式投資は基本的にプラスサムゲームなので、長期的な視点であれば参加者全員が利益を得ることが期待できます。宝くじや競馬などはマイナスサムゲームなので参加しても利益が期待できません。」

 


 

人生100年時代と収入の複線化

たぱぞうブログ 人生100年時代構想

ベストセラーとなった『ライフ・シフト(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、2016年)』以来、「人生100年時代」というキーワードが取りざたされている。
平均寿命が伸びることで、社会保障を支える現役世代が相対的に少なくなり、その一方で年金や医療費が増加するという側面も。

 

生きる期間が長引けばその分だけ必要なお金も増える。
人生100年時代に必要とされる心構えについて伺った。

 

「まず人生100年時代を標榜せざるを得ない理由があると思います。社会全体として定年を遅らせたい、年金の後払いを推進させたいなど。
収入の複線化という意味で投資は優秀な手段です。お金にお金を呼び寄せてもらい、将来に備えることは大切です。」

 

必要性があると言えど、未経験者にとってはハードルが高く感じるもの。
一般に株式投資家というと、株価のチャートをずっと監視しなければならないようなイメージがある。

 

「そんなことはありません。私自身スマホでいつもチャートを見ているわけではありません。インカム(配当金など)中心で長期的なリターンを考えれば緩く投資を始めることは可能です。キャピタル(株式の売却益など)中心だと難しいのですが、日本の株式市場はそちらがメインになっていますね。」

 

投資する際に最低20年先までの見通しを持つというたぱぞう氏。
短期・個別銘柄で儲ける方法を考えるのではなく、成長市場全体を買って長期で資産形成を目指す。

 

個人投資家の強み

プロ投資家や投資ファンドと個人投資家の一番の違いは資本の規模。
小資本の個人投資家の強みはどこにあるのだろうか。

 

「時間を買えるということです。決まった期間で実績を出さざるを得ないプロに対し、個人投資家は20年や30年のスパンで利益を出せば良いのですから。」

 

また昨今何かと話題に事欠かないAI(人工知能)だが、投資分野では既に実用化されている。
いわゆる「ロボアドバイザー」はその一つだが、個人投資家と人工知能の関係をどう捉えているだろうか。

 

「共存できると思っています。ロボアドバイザーなどの活用が進めば間口も広がり、成長市場に投資すればプラスサムゲームですから利益を得る人も増えるのではないでしょうか。」

 


 

一流の定義

たぱぞうブログ 一流

会社員、投資家、ブロガーとしてそれぞれ成功しているように見えるたぱぞう氏だが、「自身は二流である」と語る。

 

「かつては本業で一流を目指して一生懸命だったこともありました。一生懸命働くのはいいことだと私自身考えていましたから。
でも頑張るだけではどうにもならないこともありますよね。
むしろある程度自分にスキがあったほうが、かえって仕事が上手く回ったりすることもあって。仕事って必ずしも合理的ではないし、むしろ多分に情緒的な場面がありますからね。」

 

「80点までは努力量と実力が比例しますが、90点、100点を目指すとなるとそうはいきません。それであれば別の分野でまた80%を目指して、複数の『二流』の組み合わせによって一流になる、という考え方もあります。」

 

お話を伺いながら確かに、と感じたのは「必死に頑張る」ことが成功を阻害することがあるという点。
投資についても同じで、「稼ごう」「利益を出そう」と思うと視野が狭くなってしまいがちだそうだ。

 

少し距離を置いて対象を眺めてみる。
「お金なんてそんなにたくさんはいらないな」という気持ちで取引するほうが利益が大きいこともある。
結局、「市場の上がり下がりには個人では抗しえないから」と聞いて納得。


 

伝えることについて

ヒントになるならば、と後輩への恩返しのつもりで始めた米国株投資ブログ。
内容は初心者向けから専門的なものまであるが、スタンスは一貫している。

 

それは読者の不安に寄り添う、ということだ。

 

たぱぞう氏のブログには投資スタイルや資産形成についての質問が毎日寄せられる。
最近ではそのコメントへ返信する形で記事を執筆し、論拠をもとに私見を述べるスタイルが中心となっている。

 

「みなさん慣れない投資を始められて不安ですから。私はその不安に寄り添うということです。
ブログを始めてしばらくは、自分のブログや言葉にそこまでの価値があるとは知らなかったんです。でもコメントを頂いたり、実際に会ったりすることで自分のブログには思ってもみなかったような価値があったんだ、と気が付かされました。それが自分のモチベーションにもなります。」

 

「自分主催のセミナーでは温かな空気を大切にしています(笑)
初対面の人に会うわけですし、変な商品を買わされないかなと考える方もいるでしょう。
セミナーでは投資初心者からベテランの方までいらっしゃいます。私一人が話すのではなく、決めたお題の最適解をみんなで考える、というスタイルを大事にしたいと思っています。」

 

セミナーは60分から90分のことも多いが、そのあとに懇親会を開く。

 

ブログではなく、実際に会って話すことの魅力は互いに本音で話せるということ。自己責任が基本の投資の世界において、どうしても文字にすることが難しい内容もある。

 

たぱぞう氏とお会いして話すと、その知見の深さとカバーする領域の広さに驚かされた。
その中でも特に感銘を受けたのは投資のベースとなる理念だった。

 

「がむしゃらに働き出世する人生モデルだけが幸せモデルだとすると、多くの人は幸せになれないことになります。あれは経済成長期の社会保障負担の少ない国だったから成しえたのです。
いい大学、いい(大)企業に行けば幸せになれる。『頑張れば報われる』という考え方に縛られると、苦しい人が大勢出てきます。そもそも経済的に誰もが幸せになれる、という時代は終わりました。しかし、『幸せは実はもっと身近にあるもの』です。」

 

今の日本に生きる我々に求められているのは投資のノウハウではなく、こうしたパラダイム変換なのではないだろうか。


 

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匠 のこだわり

バンガードグループのボールペン

ボールペン

バンガードグループは世界最大級の投資信託会社。ジャック・ボーグル氏はバンガードの創業者で、インデックスファンドの父と広く認められている。
投資ブロガーとしてバンガードの日本法人での説明会でもらったものだという。
業務中のタスクを管理する際などに使用。

 

基本的にものを多く持たない主義のたぱぞう氏。
固定費を下げ、その分を投資に回すという投資の基本を忠実に実行する。

Blog:たぱぞうの米国株投資

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