vol.8 STEM教育スクール運営 中村一彰

中村一彰 教育


中村一彰

匠 vol.8STEM教育スクール運営
中村一彰

 
 
 

STEM教育スクール運営 中村一彰とは

 

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埼玉大学教育学部卒。教育実習にて公教育の画一的な集団形成に違和感を抱き民間に就職。
株式会社ゴールドクレスト、株式会社エス・エム・エスの2社に勤務。
株式会社エス・エム・エスでは、創業期からマザーズ上場、東証一部への市場変更までの7年間で、新規事業・人事の責任者を歴任。
 
2012年8月に退社。同年、株式会社ヴィリングを創業。
時代に合った教育への改革を志し、民間教育/公教育の両面から実践に取り組む。
2018年末には『AI時代に輝く子ども STEM教育を実践してわかったこと』をリリース。
民間教育プレイヤーとしてできること、これからの子供たちが身につけると「幸せ」になれるであろう能力について伺った。
 
 


講演会への取り組み

 
 
中村一彰



 
‐‐これまでどのような方に向けてお話をされて来ましたか。
 
中村一彰さん(以下、中村)幼稚園や私立の学校、商工会議所などから保護者向けの講演に呼んでいただいています。
講演以外では企業向けの研修も実施しています。
 
そちらは業種にかかわらず、いわゆる大手企業での実施が多いです。
 
 
‐‐大手の企業向けにはどのようなテーマでお話をされたんですか?

中村 多いのはチームビルディングと理念研修ですね。
基本的に組織には理念がありますが、大切なのは言語化することです。
 
言語化する活動を研修として実施したり、もしくは言語化されていてもあまり浸透していない組織に対しては、理念を浸透させるための研修を実施したりすることもあります。
 
 
–中村様は「レゴシリアスプレイ®」認定ファシリテーターという資格をお持ちですが、企業研修に置いてはレゴも活用されているんでしょうか?
実際にはどういった資格なんでしょうか。

中村 「レゴシリアスプレイ」はレゴ社やレゴエデュケーションとMITメディアラボが共同で開発したメソッドで、レゴブロックを企業戦略やチームビルディングといったビジネス用途として活かせないかっていうことで考案されたんです。
 
中村一彰



–元々、小学校の教諭を目指されていたということですが、その流れで人材育成に興味をお持ちになったということでしょうか。

中村 実践的な学びというか、自分なりにより良い学習について探求している中で、コンストラクショニズムという学習理論に出会いました。
コンストラクショニズムっていうのは作ることで学ぶとか、作りながら考えるとかそういったメソッドです。
そこにすごく感銘を受けたんですね。
 
「レゴシリアスプレイ」っていうのはコンストラクショニズムをベースにしたメソッドなので、これは面白そうだなと。
 
 
–講演でお話をされる際に何か気をつけているポイントがあれば教えてください。

中村 聴講者の理解の助けになるよう、時にはスライドを使ったり動画も使ったりします。
 
対象としては企業研修向けやビジネスパーソン向けと、保護者向けと大まかに2パターンあります。
講演では、特に今後、保護者向けに力を入れていきたいと思っています。
僕のバックボーンでもあるビジネス、民間教育、学校の先生という3者のバランスを感じてもらいながら話すということを大事にしています。
 
民間教育のプレイヤーは時として公教育を批判することがあるんです。
 
僕は学校教育の現場にも居たことがありますから、学校の良さとか秀逸さ、素晴らしさを体感しています。
ですから批判はしていません。
公教育と民間教育をどう組み合わせるといいのか、という観点でお話しするようにしています。
 
 
中村一彰



–その流れの中で出てくるのがSTEM教育や、中村様が運営されているSTEMONということですね。

中村 そうですね。
子供の教育の場合はママさん向けにトークするのが大事なので、感心をもってもらえるようには話ししたいと思っています。
実は僕はあまり意識しないでトークしているとパパさん向けの講演になってしまいがちなんです。
 
セミナー参加者はママさんが圧倒的に多いですね。
 
 

STEM教育とは

 
 
–それでは、STEM教育というものについて端的に教えて頂けますでしょうか。
 
中村 STEM教育は、Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学),Mathematics(数学)の頭文字です。
我々の定義では、これらの4つの知識領域を横断的に活用して、「作りながら学ぶこと」という定義をしています。
 
ですから、例えば「そろばんやってます」だけではSTEM教育とは呼びません。
この4つの領域を横断的総合的に知識を活用する。かつ作ることで学ぶっていうことをSTEM教育と定義しています。
中村一彰



 
 
–子供達は手とか頭を実際に動かしながら作りながら学んでいくっていうことですね。

中村  そうですね。
 
 
–それを実際に行われているのがこのSTEMONということですね。
では『AI 時代に輝く子ども』と言うのは具体的にはどのような子供のことでしょうか。

中村 常識にとらわれず、お友達とコンピューターとコラボレーションできる子。
コラボレーションして新しいものを作れる子。そういうふうに考えていますね。
 
 
–パソコンやテクノロジーに親しみがない保護者も多いでしょう。
自身がそういった領域に造詣が深ければ子供にコンピューターを与えたりとか、一緒にやりながらっていうのもできると思うんですけど。
なかなかそういった方ばかりではないんじゃないかなと思いまして。
保護者にはこれからどのような視点が必要でしょうか。

 
中村 どの親御さんもいい大学にいって欲しいとか、いい会社に行ってほしいとかそういう考えはお持ちだと思います。
しかし一番の願いは子供に幸せになってほしいということですよね。
 
幸せになるためには社会で活躍するということと、それとは別に心の豊かさが必要で、その2つのバランスを意識しています。
 
社会で活躍するために必要な力は、時代によって絶えず変わっています。
狩猟時代であれば方向感覚や身体能力。
農耕社会であれば一次産業の担い手としての体力。工業社会では読み書き算数と。
 
それが情報社会になって、これからはAI社会になっていきますという中で、身につけておいたら社会で活躍しやすい力っていうのをある程度見通して育むことがすごく大事だと思っています。
 
AIっていうのはロジックで答え出すってのが得意なので、情報処理はAIに任せた方が良いでしょう。
AIが担えないところを、人が担当して成果を出していくという、「AIとコラボできる力」というのがすごく重要なんだと思います。
 
それとは別に、勉強やお金と関係なく自分が好きなこととか、自分の心が喜ぶこととかに自分で気づけていて、それを楽しめることも幸せのためには必要です。
どうしても今、学力とか受験とかそういう方にバランスが偏りがちです。
そっちに偏り過ぎて、子供たちが幸せを感じにくくなってしまったらもったいないですよね。
 
中村一彰



 
 
–子供たちの中にもプログラミングやコンピューターにあまり興味持てなかったり、得意な事を見つけられない子供たちというのも結構いると思うんです。
そういった子供たちというのは、AI時代とどのように向き合っていけば自分の幸せに近づけるんでしょうか。

 
中村 何で子供が苦手意識を持つかというと、比較されるからなんですよ。子供は新しいものを触ったり使ったり知ったりするのは好きだし、楽しいし、発見する喜びがあるので、それ自体に嫌いとか苦手って感情は持たないですよね。
 
でもある場面で誰よりもうまくできるとか、よく覚えているとか、比較されて点数化されて、自分が劣っている風に指摘されることで苦手になっていくので。
 
 
-今の学校教育では、他人と違うところが目立ってしまいますよね。教室の中で他の子とちょっとでも違うと目立ってしまうようなところがあって。そこが例えば苦手意識に繋がってしまうとか。

 
中村 学校ではしょうがない面もあります。一人の先生が30人の生徒を見ているわけで、ある程度ルール規則を作らないと、安全が疎かになってしまいますから。
構造上しょうがない。
 
でも学校とは違うコミュニティで、別に人と違ってもいいんだって思ってもらうことは民間教育の役割でもあると思うんです。
公教育と民間教育のバランスが大事だと思います。
 
 


AI社会のビジネスと輝く人材

 
中村一彰



 
–ビジネスの現場においてもAIが着々と存在感を増しています。
AI が労働力を奪うとか無人化店舗の話題はニュースで耳にしない日はないほどです。
普通に働いている方にとって、今後自分はどのような能力を高めていけば良いのかと、不安を抱いている方は多いのではないでしょうか。

中村 そうですね。
クリエイティブな力とホスピタリティというのかな。この2つは重要だと思いますね。あとは最近話題の非認知能力とか。
 
 
–そうした組織内で必要な能力についても中村様の講演で解説されるということですね。
 
中村 そうですね。
ホスピタリティはその組織集団がどういう目的で存在していて、どんなところを目指しているのかという部分とセットで考えるべきです。
この組織が大事にしていきたいものは何なのかみたいなものがある前提でのホスピタリティだと思うんですね。
 
「優しさ」と一口にいってもいろんな優しさがあるじゃないですか。
 
 
–最近SNS上で「脱社畜」「好きを仕事に」といったキーワードがトレンドになっているようです。
例えばYoutuberのような今までになかった仕事が出てきて、会社員よりもはるかに高い影響力を持つ人材が世に出てきています。
働き方や生き方の選択肢が飛躍的に増えている中で、「仕事」について感じることはありますか。

中村 自分自身が社畜だって思ってる人って何ていうか辛いですよね。
選択肢がこれだけある時代ですから、冷静に考えると好きなことやれば良いんじゃないかとは思います。
 
しかしもしかすると、自分が何が好きなのかとか、自分は何に喜びを感じるのかっていうのを、自分で気づくのも難しくなってるのかもしれません。
 
子供の頃から大人が色々な事柄の答えを用意しているので、子供としては正解を当てに行ってしまいますよね。
その期待に応えられるような行動思考に慣れ親しんでしまうと、他人の価値観、即ち「他人軸」で発想する事に慣れてしまうので、自分でやりたいことを自分で決めて行動するっていうことがしにくくなるんだろうなと。
 
あとは、この本でもSTEMONでも「初動力」を大事にしているんですけど。
初めから正解が見通せる事ってほとんどないので、失敗してもいいからとりあえずやってみようっていう初めの一歩を踏み出せるかどうか。
 
失敗しても良いじゃないかとか、やりながら何かを学んでいこうとか、そういう発想になれると良いんですが。
 
 
–聴講される方や主催者様へのメッセージをお願い致します。

中村 プログラミング教育に関しては大阪市と東京都の教育委員会から委託を受けているので、教育現場の最前線をお伝えできます。
保護者向けの視点だと次世代教育。
 
子供たちが次世代で活躍するための力と今後必要になるであろうコンピューターやテクノロジーとコラボする力についてお話します。
講演のご依頼、お待ちしております。
 
 


 
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Web:株式会社ヴィリング

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